
駅員をしていますと、車や人が踏切で電車と接触したり、ホームにおいても人が電車と接触して事故がおきることがあります。
私自身が過去に駅員の仕事をしていましたので、人身事故で車や人との接触事故の現場に行ったこともあります。
また、初めて事故の現場に行ったときは何をすればよいのかもわからず、言われたことをした記憶があります。
そして、事故の処理が終わってからの心境なども合わせて述べていきます。
駅員が仕事中に近くで人身事故があった場合は?
私が勤めた駅は、何駅もありましたし、
人身事故の現場に行ったことが6回ぐらいありました。
1人で勤務する駅や多くの駅員で
勤務する駅などいろんな駅で経験をしました。
そして、私自身が初めて仕事中に人身事故を
経験したのは、会社に入社して半年がたったぐらいの
暑い日だったのを覚えています。
その時には、電車には無線が付いていて、
何か異常があった場合にはすぐに、
運転手や車掌が電車指令室に無線で
連絡ができるようになっていました。
そして、電車指令室から事故を起こした場所から
一番近い駅に連絡があり、
事故の現場に行くようになっていました。
私が勤めていた駅の近くで人と電車が踏切で
接触事故を起こしたと連絡を受けて、
上司から準備をするように言われました。
しかし、初めてで用意する物もわからず、
先輩からヘルメットと手袋を渡されて、
大きなビニール袋や白いシーツやバケツを持って
上司と先輩、同僚の5人ぐらいで事故の現場に行きました。
駅員が仕事中に人身事故の現場に行った時は?
踏切に到着しますと、電車が止まっていましたので、
線路内に入り、状況を把握するために上司が
運転手と話しをして確認をしていました。
その間に、私や先輩などで、負傷者の救護を任されましたので、
負傷者を探しましたが、なかなか見つからず、
運転手からの話では、巻き込んで電車の下にいる可能性が
高いと言われて、電車の下を探しました。
そして、先頭から3両目ぐらいの電車の下に
負傷者を先輩が発見しましたので、
すぐに向かって3両目に行きました。
その時の光景は、何十年の経った今も忘れていませんが、
私が思っていたよりも想像を絶するものでした。
私が目をそらすと、先輩から
「精神的につらいが仕事だが、無の気持ちで何も考えずにするよう」に
言われました。
再び、電車の下を見ますと、
人であるかがわからないぐらいの状態で、
亡くなっていることぐらいしかわかりませんでした。
しかも、電車の下には、機械類がたくさんあって
引っ掛かっている感じになっていましたし、
出すにも機械類と衣服が引っ掛かり
なかなか出すことが出来なかったです。
何とか、電車の下から出した後で、
あちらこちらと飛んでいる
その人の部分をビニール袋に入れていきました。
その後、警察官や消防隊員がきて、
手伝ってくれましたし、消防隊員の手際のよさにビックリ!?
したぐらいです。
その後、事故の現場で警察官が現場検証をして、
全てが終わった後で、線路や枕木に水をかけて洗いました。
人身事故が終わった後の心境は?
駅に戻ってから、ヘルメットや手袋などの用具を
片付けていますと、急に手が震えてきて、
精神的にすごくつらかったです。
先輩が気をつかってくれて、手をしっかりと握りしめて
「大丈夫か?少し奥で休むよう」に言ってくれました。
奥で休んでも人身事故の記憶を覚えている私がいて
自分が自分でないような気持ちでした。
その時に、上司から「鉄道の仕事をしていたら、
人身事故に遭遇する確立が高いから
新入社員の時に経験しておいてよかったと思うし
今後、この経験を生かして仕事をして欲しい」と言われました。
上司自身も何度か人身事故の現場に行った経験があるらしく
「何度行っても慣れないし、精神的にまいってしまう」と
言っていました。
そうなんだと思う気持ちと、これが鉄道の仕事であると思いました。
しかし、人身事故の現場には二度と行きたくないと思う気持ちで
いっぱいでした。
その後、上司や他の先輩などは、普段通りに仕事ができて、
夕食を食べたりしていましたが、
私だけが普段通りの仕事が出来ずに、
夕食も食べられなかったです。
その日の最終後に、終業点検をして仮眠時間になりましたが、
布団に入っても寝れなかったのを覚えています。
そして、事故があって1週間ぐらいは
人身事故のことが頭からはなれなかった感じで、
食欲もあまりなく、寝ることもあまり出来なかったです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電車と人や車と接触事故を起こして、
電車が止まってしまい、
その電車に乗っているお客さんや
ホームで待っているお客さんは予定通りに目的地へ
行くことができないと文句を言ってくることが多いです。
しかし、その裏では、事故が起きてから全てを処理する
駅員や警察官、消防隊員などがいて、
早く電車を動かすことを考えながらも
負傷者や亡くなった人に対して、
誠意ある行動をとらないといけないです。
最近のお客さんは、自分の都合ばかりを言って
「早く電車を動かせ!」などと言ってくる人もいますが、
その前に事故で人が負傷したり、亡くなっていることも
考えて欲しいと思いました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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