
節分が近くなりますと、スーパーやコンビニなどでも恵方巻きやイワシそして節分用の豆などが売られるようになってきますが、恵方巻きを食べる方角の恵方はどのように決まるのでしょうか。
また、節分の日に食べる物も地方によっていろいろとあるようです。
子供の頃に両親から教えてもらったので、節分の日に決まった物を食べていると言われる人が多いと思いますが、節分の日に限ってなぜそのようになったのでしょうか。
少し気になりましたので、節分の日の恵方や定番の食べ物と豆まきをする理由などを考えていきます。
節分の恵方はどのように決まるの?
恵方と言われれば、陰陽道やその年の干支(えと)によって、
めでたい方角の事を指しています。
その方角には、歳徳神(としとくじん)と言われる
その年の福の神様がいるとされています。
恵方の方角は、毎年違ってきますので、
節分の日が近くなりますと今年の恵方はどちらかな?
と思われる人が多くなります。
しかし、単純に4つの方角しか決められていません。
しかも「十二支(じゅうにし)」の「十干(じっかん)」が
関係してきますので、この辺りから難しくなってきます。
方角では「東北東やや右」「西南西やや右」「南南東やや右」
「北北西やや右」の4方向しかなく、
それぞれが約90度で分かれています。
その4つの方向の順番は、東→西→南→北→南で
1つの周期になりますので、
5年後には、今年と同じ方角になります。
そして、その年の干支(えと)の
十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)が
関係してきます。
十干については、すべては「陰」と「陽」の2つに分けられる
陰陽道(いんようどう)と世の中のもの
すべて「木、火、土、金、水」からなります
五行説(ごぎょうせつ)が合わさった陰陽五行説からきています。
陰陽五行説は、西暦の一桁の数字で決まります。
内訳は
「4:甲(こう・きのえ)」「5:乙(おつ・きのと)」
「6:丙(へい・ひのえ)」「7:丁(てい・ひのと)」
「8:戊(ぼ・つちのえ)」「9:己(き・つちのと)」
「0:庚(こう・かのえ)」「1:辛(しん・かのと)」
「2:壬(じん・みずのえ)」「3:癸(き・みずのと)」になります。
干支は、十二支と十干を組み合わせたものを言いますが、
干支は12支あり、十干は10ありますので、
最小公倍数で考えますと、60年で1周期になります。
そして、陰陽五行説の
「甲・己の時は、東北東やや右」
「乙・庚の時は、西南西やや右」
「丙・辛・戊・癸の時は、南南東やや右」
「丁・壬の時は、北北西やや右」
と方向が決められています。
結果的には、西暦2017年の干支は「酉年(とりどし)」で、
陰陽五行説からくる方角は、
西暦の一桁が「7」で「丁」になりますので、
恵方の方角は「丁酉の北北西やや右」になります。
西暦2018年の干支は「戌年(いぬどし)」で、
陰陽五行説からくる方角は、
西暦の一桁が「8」で「戊」になります。
恵方の方角は「戌戌の南南東やや右」になります。
すごく、むずかしい考え方をされていますが、
昔から考えられていた事ですので、
あまり深く考えないほうがよいでしょう。
節分で定番の食べ物は?
恵方巻
節分の夕食などで食べられている恵方巻ですが、
節分と全く関係がない食べ物なのかもしれません。
それは、恵方巻を食べるようになった説が複数あり、
どれが本当なのかがわからないからです。
説についていくつか述べておきますと。
・大阪のお寿司屋さんと海苔屋さんが
冬の寒い時期にお寿司の売り上げを
伸ばしたいと考えて、節分には海苔巻寿司を
食べると縁起がよいとされた説。
・お寿司屋さんでたまたま出てきた巻きずしを
切るのが面倒でそのままかぶりついて食べた説。
・毎年、節分の時期に漬け上がるおしんこを
使った海苔巻寿司を恵方に向かって食べた説。
・節分の日に商売繁盛と厄払いの意味を込めて、
幸運巻寿司を食べる習慣から始まった説。
他にも、いろんな説がありますが、
どれもが節分と関係がないように思えます。
しかし、現在においては、節分の日に恵方巻きとして
海苔巻寿司を食べるのが一般的になっています。
イワシ
昔、焼いたイワシの頭を柊(ひいらぎ)の枝に刺して、
家の出入り口などに付けておきますと、
イワシの強いにおいで鬼(悪霊)や厄などを
寄せ付けないと言われていました。
魔除けみたいな風習で、イワシの頭だけを使いますので、
頭から下は、食べていました。
その風習が現在まで残り、節分の日には
イワシを食べるようになったと言われています。
豆
毎年、その年の一年を健康や無病息災、悪霊を
追い払う事などが考えられて、炒った(いった)豆を
「福豆(ふくまめ)」と呼ばれていました。
昔の人は、年の数だけ福豆を食べて来年も健康で幸せに
暮らせますようにと願ってありがたく食べていました。
大豆は確かに、畑のお肉と言われるぐらいに
タンパク質が豊富に含まれていますので、
食べる事によって健康でいられますし、
悪霊に負けない体づくりにもよいと言えます。
蕎麦(そば)
年越しそばを食べる事は、みなさん知っているでしょう。
江戸時代後期ぐらいまでは、暦(こよみ)の上で、
元旦が年の初めではなく、立春が年の初めと
考えられていたことから、前日の節分の日に
食べるそばを年越しそばと言っていたそうです。
ちなみに旧暦で節分は大晦日にあたりますので、
新暦を使っている現在でも、節分の日におそばを
食べる習慣がそのまま残ったと考えられます。
他にも地方によって節分の日に
食べられている物がいろいろとあるようです。
節分に豆まきをする理由は?
昔、大豆(だいず)は五穀(ごこく)のひとつとされ、
穀霊(こくれい)があると言われていました。
お米の次に神事(しんじ)などで使われてきていて、
この穀霊で悪霊や厄を追い払うのによいとされていました。
また鬼が出た時に豆を鬼の目に
投げつけて退治したという事が伝えられています。
昔は、新しい年を迎えるにあたり、
穀霊がある大豆には、悪や厄そして鬼を退治する効果が
あると信じられていたために、
立春の前日にあたる節分の日に豆まきを行い
「鬼は外、福は内」と言って行われてきて、
現在においてもその風習が残っています。
昔は、豆まきをする豆は炒り豆(いりまめ)で
なくてはならないとされていました。
それは、生の豆を使って、芽がでてしまうと
縁起が悪いとされていました。
また、「炒る」は「射る」と同じ発音になることから
「魔目(まめ)」を「射る」ことで、悪や厄そして鬼を
なくして福を呼び込むと信じられていました。
現在において、節分用で販売されている豆は、
ほとんどが炒ってありますが、購入の際には
炒った豆なのかを確認してから購入してくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
節分といっても、昔の人の知恵などが
いろんな意味で残っています。
そして、現在においてもこの風習がなくならないのは、
やはり、春を迎える立春にあたり、
健康で無病息災を願って行われているからでしょうね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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