
肺炎と聞くと、おそろしい病気と思っているそこのあなた!確かにおそろしい病気で、コマーシャルでしているように、肺炎は、日本人の3大死因で第3位になっています。
そして、年齢を重ねていくと、肺炎にかかりやすくなってきています。年齢を重ねていくとなぜ、肺炎にかかりやすくなるのかを述べていきます。
肺炎を発症する肺炎球菌について。
肺炎を発症させる肺炎球菌の種類は、
日本でおよそ30種類あると考えられています。
また、肺炎球菌は肺炎の原因になる
菌の中でも感染率や致死率が非常に高いと言われています。
昔、肺炎球菌と言われる菌は、
河川、ドブ、公園、人が多い空気中など
あらゆるところにいましたが、
現代においては、ほとんどいないのが現状です。
それは、肺炎球菌が暑さや寒さなどに弱い性質をもっていて、
肺炎球菌が自然環境に耐えられなかったために、
人体の鼻の奥にある咽頭(いんとう)と言う部分が
温度差もあまりなく、肺炎球菌にとってはよい環境として
付着するようになりました。
そして、肺炎球菌が咽頭(いんとう)に
付着しているからと言って、
すぐに肺炎になることはありません。
しかし、風邪や別のウィルス性の病気を発症することで、
咽頭に付着していた肺炎球菌が肺に侵入していきます。
そして、肺に付着した肺炎球菌は、
好中球(こうちゅうきゅう:体内に侵入した細菌や
ウィルスを異物と認識して処理する白血球の一種)に
よって処理されるはずが、異物と認識してくれません。
それは、肺炎球菌には、莢膜(きょうまく)と
呼ばれるバリアーみたいな物に覆われていますので、
好中球は異物と判断できずに処理しません。
その結果。
処理がされない肺炎球菌は、肺の中で
どんどんと増殖をしていき、肺炎をひきおこします。
年齢を重ねていくほど危険!脾臓(ひぞう)の正体とは。
体内にある脾臓(ひぞう)と言われる臓器の位置は、
左側の腎臓(じんぞう)の上部にあり、
背中に近い位置にある臓器です。
そして、脾臓にある特別な免疫細胞である、
マージナルゾーンB細胞がとても役にたつ
働きをしてくれると考えられています。
脾臓内にあるマージナルゾーンB細胞は、
肺に侵入した肺炎球菌に対して、
異物か判断をします。
そして、
異物と判断した場合には、マージナルゾーンB細胞から抗体が排出されて、
肺炎球菌を覆っている莢膜(きょうまく)にくっつきます。
そうしますと、好中球は、抗体がくっついた
肺炎球菌が異物と認識が出来るようになりますので、
肺炎球菌を処理してくれます。
ですので、肺炎にかかりにくい身体でいられます。
しかし、20才代と60才代の脾臓の大きさを調べますと、
60才代の方が脾臓の大きさが
あきらかに小さくなります。
そして、年齢を重ねていくほど
脾臓は小さくなりますので、マージナルゾーンB細胞も
少なくなると考えらています。
ですので、高年齢になりますと、
マージナルゾーンB細胞から抗体を出しても、
肺炎球菌の増殖が速くて肺炎にかかりやすいリスクが
大きくなると考えられます。
肺炎の感染経路と予防方法について。
肺炎球菌の感染経路についてですが、
人間全員が肺炎球菌に感染しているかと言われますと、
感染していない人もおられます。
感染経路は、感染している人が
咳やくしゃみなどをすることによって、
空気中を肺炎球菌が飛散して、
感染していない人が呼吸することによって、
咽頭に付着して感染すると考えられています。
肺炎球菌の予防方法は、肺炎予防のために、
厚生労働省が65才以上の人で、対象される年齢の人に、
肺炎球菌ワクチンの予防接種を安く受けることが
できる補助制度がありますが、
これについても、
2019年3月末で終了してしまいます。
しかし、補助制度がないだけで、
年齢に関係なく肺炎球菌ワクチンの予防接種は、
受けることができますし
5年ぐらい効果が持続すると言われています。
また、対象年齢でない方が予防接種を受けますと、
約8,000円の費用が必要になりますが、
肺炎球菌による重症化を防ぐ効果がありますので、
高齢者ほど受けておいた方がよいと言えます。
そして、もう1つの予防接種として、
子供用の肺炎球菌予防ワクチンがあり、
生後2ヶ月~6才未満を対象に
定期接種(無料)で受けることができ、
咽頭に肺炎球菌が保菌できなくなる効果が
一生続くと言われています。
子供用のワクチンですが、
65才以上の人についても
予防接種を受けることができます。
費用は約10,000円必要になります。
(補助制度はありません)
予防接種については、65才以上になりますと、
2種類の方法がありますが、対応する菌の数に違いがあります。
補助制度があり、5年ぐらい効果がある予防接種は、
23種類の菌に対応しますが、
子供用ワクチンは、13種類の菌にしか対応しませんので、
よく考えて予防接種を受けるようにしてください。
しかも、同時に2種類の予防接種を受けることができません。
どちらか一方の予防接種を受けましたら、
1年間は、期間をあけてからになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高齢者にとっては、肺炎にかかってしまい、
重症化しますと死因につながりかねませんので、
出来る限り予防接種を受けるように心がけてくださいね。
最後に、日常生活で睡眠をとる時に、
まくらも必要ですが、胸ぐらいから頭にかけて、
布団の下に座布団やクッションなどで
上げるようにしますと、
睡眠中に肺炎球菌が咽頭から身体内に侵入してきても、
胃の方へ入ることになり予防することができます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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